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 (社)日本産科婦人科学会産婦人科専門医

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視床下部と下垂体のホルモン
視床下部ー下垂体系とは?
視床下部ー下垂体系は様々なホルモンのコントロールタワーとして作用します。神経(脳組織)の一部である視床下部は様々なホルモンの血液中の濃度を常に監視し、生体が正常に機能するために都合の良いように下垂体に対して指令を出しています。この指令方法が以下に示す神経分泌です。このような視床下部と下垂体の連携によって微妙なホルモンバランスが維持され、その結果として組織や臓器が正常に作用します。女性ホルモンも例外でなく視床下部ー下垂体系によってコントロールされています。
神経分泌とは?
内分泌模式図 神経系模式図 神経分泌模式図
上図の左が内分泌、中央が神経系であり、この両者の機能をもつものが上右図の神経分泌である。すなわちニューロンが分泌物を血液中に放出することができる。
視床下部には上記のような神経細胞と内分泌細胞の両方の形態と機能を合わせ持つ神経分泌細胞と呼ばれる細胞群の存在が認められ、これらが神経系(中枢神経系)と内分泌系(下垂体)を形態的、機能的に結びつけている。これらの細胞は神経系のみならず内分泌系の情報をも受容可能であり、反応を内分泌性にホルモン分泌を行う。
視床下部と下垂体はこのような神経分泌細胞の分泌するホルモンすなわち下垂体後葉ホルモンや下垂体前葉ホルモンの放出促進・抑制ホルモンによって一つの密接な機能単位として働いている。すなわち視床下部ー下垂体系として作用しているが、これがさらに月経周期に関しては視床下部ー下垂体系ー卵巣系として一つの機能単位として作用している。。
視床下部ホルモン
ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)放出ホルモン
gonadotropin-releasing hormone(GnRH)
luteinizing hormone-releasing hormone(LHRH)
(1)産生部位
視床下部の神経分泌細胞
(2)化学構造
GnRHは以下のような10個のアミノ酸からなるデカペプチドである。
ゴナドトロピン放出ホルモンの化学構造
(3)生理作用
GnRHは下垂体前葉のゴナドトロピン分泌細胞(好塩基性細胞)に対して働きかけ、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の産生分泌を促す。
視床下部からのGnRHの分泌は、生理的に一定のリズムをもって脈動性に分泌されている。GnRHの分泌が脈動性であるために下垂体から分泌されるLHやFSHも脈動性になる。この脈動性の周期は月経周期のそれぞれの時期によって異なる。
GnRHの分泌の脈動性分泌パターンに変化が生じると、結果的にLHやFSHの分泌に影響が生じ、無排卵や無月経が生じることもある。すなわち視床下部性無月経ではLHパルスが消失していたり、緩徐であることが観察されている。
下垂体ホルモン
卵胞刺激ホルモン
follicle-stimulating hormone(FSH)
(1)産生部位
下垂体前葉のFSH分泌細胞(好塩基性細胞)
(2)化学構造
αとβの二つのサブユニットからなる糖タンパク質である。α-subunitは89個の、β-subunitは115個のアミノ酸からなり、分子量は30,000で約25%の含水炭素を含む。
(3)生理作用(卵巣に対する作用)
@ 卵胞発育(顆粒膜細胞の増殖)促進
A インヒビン分泌促進(顆粒膜細胞に対する作用)
B アクチビン分泌促進(顆粒膜細胞に対する作用)
C 排卵作用(成熟卵胞に対する大量LHと少量のFSHの協力作用)
D エストロゲン(卵胞ホルモン)産生(アロマターゼ活性賦活)
黄体形成ホルモン(女性)
luteinizing hormone(LH)
(1)産生部位
下垂体前葉のLH分泌細胞(好塩基性細胞)
(2)化学構造
分子量が約26,000の糖タンパク質である。αとβの二つのサブユニットからなり、α-subunitはFSH、TSH(甲状腺刺激ホルモン)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)とは共通である。β-subunitはLHに特有であるが、hCGのβ-subunitとは類似している。
(3)生理作用(卵巣に対する作用)
@ 排卵作用(成熟卵胞の卵胞壁に作用する)
A エストロゲン(卵胞ホルモン):エストラジオールの分泌
B プロゲステロンの分泌(黄体に作用する)
C アンドロゲン(男性ホルモン)の産生促進(卵胞の莢膜細胞に作用)