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| ★所在地 〒183-0055 東京都府中市府中町2−5−8 レルシール府中 1階 貝原レディースクリニック 042-352-8341(電話) 042-352-8340(FAX) 休診日:日曜・祝祭日(平日は毎日診療) |
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保険医(各種保険取扱い) |
| ●産科(妊婦健診、4Dエコー) ●婦人科 ●内科(女性のみ) ●各種検診 ●予防接種 |
| 月経困難症の定義 |
| 月経困難症は月経の直前あるいは開始とともに症状が発現し、月経の終了前あるいは終了とともに消失するのが一般的である。主として下腹痛、腰痛など疼痛を主症状として現れる症候群で、婦人科疾患としては比較的頻度の高い疾患である。月経困難症は、このように疼痛を主症状とするために月経痛症とも呼ばれるが、悪心、嘔吐、下痢、頭痛などのさまざまな不快な症状を伴うこともある。「月経困難症」というと「月経痛」・「生理痛」というよりも症状が重症であり、何等かの治療を必要とする場合に使用される。 |
| 月経困難症の頻度 |
| 症状の訴えが主に「痛み」であるために、客観的に評価することは困難であるために、評価のしかたは一定していない。そのために統計的に一定せず、さまざまな報告がある。軽度の月経痛は成熟婦人の70〜80%にもみられるが、就寝、臥床せざるを得なく、治療を必要とする重症例は極端に多数ではない。 |
| 月経困難症の分類 |
| 月経困難症は臨床的に原発性月経困難症と続発性月経困難症の二つに分類されている。 |
| 原発性(機能性)月経困難症 |
| 原発性月経困難症とは子宮をはじめとする骨盤腔内臓器に疼痛の原因となる器質的病変が認められない月経困難症を言う。原発性月経困難症はまた機能性、本態性あるいは内因性月経困難症とも呼ばれている。一般に月経困難症は排卵を伴うことが多く、後述するように排卵が月経困難症の成因に関与している。従って、初経後まもなくは無排卵のことが多いために月経困難症は認められない。 |
| 続発性(器質性)月経困難症 |
| 続発性月経困難症とは器質性月経困難症とも呼ばれ、疼痛の原因となる器質性病変が骨盤腔内に存在する月経困難症を言う。器質性病変としては子宮筋腫、(内性および外性)子宮内膜症(エンドメトリオーシス)、子宮腺筋症あるいは骨盤内炎症などである。卵巣子宮内膜症や骨盤内炎症による癒着性付属器炎、癒着性骨盤腹膜炎、子宮奇形なども疼痛の原因となり得る。 |
| 原発性(機能性)月経困難症と続発性(器質性)月経困難症の鑑別法 | ||
| 原発性(機能性) 月経困難症 |
続発性(器質性) 月経困難症 |
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| 発症時期 | 初経後3年以内 | 初経後5年以上経過 |
| 好発年齢 | 15〜25歳 | 30歳以上のことが多い |
| 加齢に伴う変化 | 次第に軽快 | 次第に悪化 |
| 結婚による変化 | 軽快ないし全治 | 不変 |
| 妊娠・分娩後の変化 | 全治 | 不変 |
| 内診所見 | 正常または発育不全 | 子宮内膜症、子宮筋腫など |
| 痛みの時期 | 月経時のみ | 悪化すると月経時以外にも有痛 |
| 痛みの持続 | 4〜48時間 | 1〜5日間 |
| 月経困難症の診断 |
| 月経困難症の診断は、自覚症状の分析によって比較的容易になされるが、月経歴を中心とした詳細な問診が重要となる。次に月経困難症の診断がなされたならば器質性あるいは機能性月経困難症の鑑別が必要になる。 |
| つまり、月経困難症の診断がなされた場合には、子宮筋腫や子宮内膜症などの疼痛の原因となる器質性病変が骨盤腔内に存在するかどうかを検討する。そのためにそれぞれの診断学が必要になる。すなわち問診(現病歴の聴取)、内診、視診、ゾンデ診、諸血液検査、画像診断(超音波検査、CT、MRIなど)、腹腔鏡などによって総合的に診断されるべきである。以下に月経困難症の原因となる器質性疾患の診断のための代表的な検査法を示す。このようにして、器質性疾患の存在が認められたならば、続発性(器質性)月経困難症と診断される。 |
| しかし、以下のような診断方法によって器質性疾患が除外された月経困難症は原発性(機能性)月経困難症と診断される。 |
| 「卵巣子宮内膜症」 「子宮内膜症」 |
腹腔鏡 |
| 問診・内診 | |
| 超音波検査などの画像診断 | |
| 血液検査(CA125など) | |
| 子宮筋腫 | 問診・内診 |
| 超音波検査などの画像診断 | |
| 骨盤内炎症(慢性) 骨盤内臓器の癒着 |
問診・内診 |
| 血液検査 | |
| 病原菌検査(クラミジア・淋菌など) | |
| 超音波検査などの画像診断 | |
| 子宮奇形・形態的変化 | 超音波検査などの画像診断 |
| 月経困難症の症状 |
| 月経時の下腹痛と腰痛が主要症状であるが、その他に以下のような多種多様の症状を呈しうる。症状の強さは、必ずしも全ての月経で一定ではなく、相当に激しい時とそうでない時がある。 |
| 原発性(機能性)月経困難症の症状 |
| 下腹部・腰部症状 | 下腹痛 |
| 下腹部緊張感・不快感 | |
| 腰痛・腰部倦怠感 | |
| 消化器症状 | 胃痛 |
| 嘔気・嘔吐 | |
| 下痢 | |
| 食欲不振・食欲減退 | |
| 血管神経症状 | 頭痛・頭重感 |
| 冷汗 | |
| 心悸亢進 | |
| 精神症状 | イライラ・神経過敏・怒りやすい |
| 憂鬱 | |
| 全身症状 | 全身倦怠感・易疲労感 |
| その他 | めまい |
| 続発性(器質性)月経困難症の症状 |
| 続発性(器質性)月経困難症の場合にも原発性(機能性)月経困難症の症状が全て認められうる。その他に原因となる器質性疾患特有の症状も呈する。例えば子宮筋腫の場合には過多月経(月経血量が多いこと)など、子宮内膜症の場合には性交痛、排便痛、内診時圧痛などである。 |
| 月経困難症発症のメカニズム |
| 月経の仕組みに関しては「月経の仕組みと女性ホルモン」を、特に子宮内膜の変化に関しては「子宮周期」を参照して下さい。 |
| 月経痛発来のメカニズムを以下の模式図に示します。 |
| 月経時の疼痛は子宮を構成する筋肉組織すなわち子宮筋の収縮によるものと考えられている。子宮筋を収縮させる化学物質の一つとしてとしてプロスタグランジンがある。このプロスタグランジンは子宮内膜でプロゲステロン(黄体ホルモン)から産生されることが明らかになっている。従って分泌期においては増殖期よりプロスタグランジン濃度は数倍高く、月経血中のの濃度はさらに高値になる。 |
| 月経血中へのプロスタグランジンの放出は月経開始から48時間の間に起こる。これは月経困難症の症状が最も強い時期であり、プロスタグランジンによる子宮筋の収縮が月経困難症の原因であることを示唆している。 |
| このように下腹痛はプロスタグランジンによる子宮収縮によって引き起こされるが、月経時に見られる嘔気、嘔吐、腰痛、下痢、頭痛などの全身症状はプロスタグランジンとその代謝物質が、子宮内に限局せずに、体循環に流入することに起因すると説明されている。 |
| このようにプロスタグランジンの産生量の差異が月経困難症の発生に関連し、プロスタグランジンの産生量が多いほど月経困難症は強くなる。また月経困難症の原因となる器質性疾患においても子宮内膜組織を増加せしめ、結果的にプロスタグランジンの産生が増加する。 |
| プロスタグランジンは子宮内膜でプロゲステロン(黄体ホルモン)から産生されることからして、プロゲステロンの分泌が不十分の場合、たとえば無排卵周期ではプロスタグランジンの産生が抑制される。従って、月経困難症は認められないのが一般的である。しかし、逆に月経困難症が認められないから無排卵であると言うわけではないのは当然である。 |
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| (Dawood MY,1981より引用、一部改変(伊藤博之)) |
| @ | 子宮内膜でプロゲステロン(黄体ホルモン)から子宮筋の収縮物質であるプロスタグランジン産生される。 |
| A | 従って、子宮内膜が剥離した月経血中には多量のプロスタグランジンが含まれることがある(プロスタグランジンの過剰産生)。 |
| B | プロスタグランジンによって子宮筋は過剰に収縮します(子宮平滑筋収縮増強)。 |
| C | 子宮筋の過剰収縮は子宮血流量を減少させ虚血となり疼痛を引き起こします。さらにプロスタグランジンは神経末端を刺激し疼痛閾値を低下させ、痛みを増強させる働きもあります。 |
| 月経困難症の治療 |
| 原発性(機能性)月経困難症の治療 |
| 骨盤内の器質性疾患が否定された原発性(機能性)月経困難症の治療は以下の対症療法や排卵抑制によってほとんどが治癒可能である。逆に、このような治療にても症状の軽減が認められない時には続発性(器質性)月経困難症やその他の疾患を考慮しなければならない。 |
| 1、対症療法 |
| 月経困難症発症のメカニズムでも述べているように、月経困難症の薬物療法の目的は、子宮内膜でのプロスタグランジン合成の抑制である。すなわち治療薬の第1選択としてはプロスタグランジンの合成阻害剤があげられる。抗プロスタグランジン製剤としては以下に示すような、さまざまな非ステロイド性鎮痛剤が使用され、月経困難症を訴える女性の80%に有効とされている。 |
| 機能性月経困難症の治療薬(対症療法) | |
| 薬品名 | 商品名 |
| (1)抗プロスタグランジン製剤 | |
| メフェナム酸 | ポンタール(三共) |
| インドメタシン | インダシン(萬有)、インテバン(住友)、イドメシン(興和) |
| イブプロフェン | ブルフェン(科研) |
| ジクロフェナクナトリウム | ボルタレン(ノバルティス) |
| ロキソプルフェンナトリウム | ロキソニン(三共) |
| (2)一般鎮痛剤 | セデス(塩野義)、ペンタジン(三共)、ソセゴン(山之内) |
| (3)筋弛緩薬 | ブスコパン(ベーリンガーー田辺) |
| (4)精神安定剤 | バランス(山之内)、コントール(武田)、セルシン(武田) |
| (5)漢方薬 | 桂枝茯苓丸など |
| (6)偽薬 | |
| 2、排卵抑制 |
| 経口避妊薬(ピル)の副効用として月経痛が軽減することが知られている。上記のような対症療法にても症状の改善が認められない時にはピルの選択が考慮される。ピルは子宮内膜の増殖を抑制し、その結果、プロスタグランジンの産生が抑えられる。その結果、子宮収縮作用は抑制されるために月経痛は軽減する。 |
| 具体的には中容量ピル(プラノバール、ドオルトンなど)の21日間連続服用でも良いが、副作用面から考えると低容量ピルのほうが最適である。 |
| 続発性(器質性)月経困難症の治療 |
| 原発性(機能性)月経困難症の治療と同じような対症療法が有効な場合もあるが、続発性(器質性)月経困難症の原因である器質性疾患の治療が必要になる。すなわち、偽閉経療法、腹腔鏡、開腹手術(子宮や卵巣などの摘出)などが適宜必要になる場合もある。器質性疾患の重症度によって治療方法、治療内容が異なることになる。器質性疾患の代表は子宮内膜症、子宮筋腫などです。 |
| 文献 |